(2008年6月11日更新)
日本はアジアで一番の高速道路先進国ですが、他国も日本に負けじと、高速道路の整備が進められています。そんなアジア各国のハイウェイ事情を紹介しましょう。

お隣の韓国で最初に開通した高速道路は、1968年のソウル-水原間。人口の少ない日本海沿岸地域を除き、ほぼ全国的な道路網ができあがっています。施設も制度も日本とよく似ており、「ハイパス」と呼ばれるETCシステムを運用中。もちろんサービスエリアのような休憩施設もあります。
特異な点といえば、車線が多く、直線区間がやけに長いこと。実はこれ、有事の際に高速道路を軍用機の滑走路にするためだそう。ちょっとビックリ!な話ですね。
韓国の道路をマイカーで走ってみよう
国際免許証を取得し、登録証などを準備すれば、韓国の道路でもマイカードライブが可能。大阪と下関から毎日出航している釜山行きのフェリーにクルマを積み込み、さほど難しくない手続きをパスすれば上陸ができます。マイカーで海外の高速道路を走行できるのは韓国だけなので、一度試してみては?(ちなみに韓国はアメリカと同じ、左ハンドル・右側走行です)
近年の経済発展そのままに、凄まじい勢いで高速道路網を拡大しているのが中国です。中国初の高速道路が開通したのは1988年と、大国にしては遅いスタートでしたが、90年前半から建設ラッシュとなり、これまでに総延長4万5000kmが完成。なんと、年間3000~4000kmも距離を延ばしています。これは東名高速道路の約10倍。いくら国土が広く、経済に勢いがあるとはいえ、その増大ぶりは驚異!
主に北京を中心に路線網を広げており、2020年には10万km弱にまで達するともいわれています。最終的にはチベットやウイグルにまで伸びるとか。いつかシルクロードを高速道路で疾走してみたいものです。

ベトナムのバイクラッシュ。高速道路でもいずれこのように渋滞するのでしょうか?
このほかアジアで高速道路がある国は、台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイなど。台湾の高速道路は日本並みの設備が整い、サービスエリアでは飲食メニューやみやげ物も充実しています。
インドにも一応、高速道路はあるのですが、日常的な渋滞は言わずもがな。高速道路なのに人や牛が普通に歩いているなど、道路事情はかなり悪いとか。まぁインドなら仕方ないか・・・とあきらめたほうがいいかも。
最近の経済発展で注目されているベトナムには、まだ日本人がイメージするような高速道路はほとんどなく、いくつかの路線を建設中。東南アジアの高速道路は、日本の技術支援によって建設されている区間が多いため、成長に伴って路線網も広がっていくことでしょう。

今後のNEXCO中日本の海外事業展開を担う海外事業チーム。世界各国の高速道路事情を知るチームリーダーに話を聞きました。
Q1:マレーシアに3年間の赴任経験があるそうですが、高速道路を走った感想はいかがですか?
――幸い、マレーシアは日本と同じ右ハンドル・左側走行なので、特に違和感はありませんでした。ただ、東南アジア特有のスコールがほぼ毎日あり、このときはワイパーが効かないほど降ります。時速30~40kmぐらいしか出せず運転するのが怖いですが、これも慣れですね。

バイクの雨宿り場を案内する看板。バイクと傘のイラスト入り

案内看板の先にあるバイク雨宿り場。スコールが多いため利用度も大
Q2:マレーシアの高速道路はバイクの利用者も多いそうですね。
――クルマはまだまだ高級品なので、一家の足といえばバイクなんです。そういう庶民に配慮して、マレーシアの高速道路ではバイクの通行料が無料になっています。バイクの利用者の数も多く、街中の交差点の信号待ちでは、バイクの大群に囲まれたこともあります。しかも1台につき、3~4人乗っているので怖いですよ(笑)。また、スコール時にバイクで高速道路を走るのは、とてもじゃないですが無理なので、高速道路上にはバイク専用の雨宿り場もあります。
Q3:バイク大国ならではですね。何か困ったエピソードはありますか?
――最初の1年はマレーシアの国産車に乗っていたのですが、運転中に突然エンジンが止まったり、エアコンから煙が出たり・・・。大事には至りませんでしたが、やはり海外での運転は緊張します。

高速道路上に設置されたオーバーヘッドレストランからの眺め
Q4:日本の高速道路にも取り入れたいものはありましたか?
――広い中央分離帯に花壇が備えられ、いつもきれいな花を咲かせていました。民間会社が管理しているのですが、走るたびにいいなと思いました(維持管理費が高くつくそうですが…)。高速道路の橋の上にレストランが設置されているところもあり、夜景もきれいでおすすめです。また、高速道路上に多くの広告看板があり、高速道路を管理している民間会社にとっては結構いい収入になっているようです。
Q5:ほかに、どのような国の高速道路を走った経験がありますか?
――イギリスにも1年間滞在していたので、イギリスのモーターウェイは何度か走りました。助手席のドライブでいえば、アメリカ、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、トルコ、南アフリカなど、どの国もそれぞれに特徴があります。中国やベトナムの高速道路もすごい勢いで建設されているので注目しています。

日本では導入されていない、高速道路上に掲げられた企業広告
Q6:では最後に、今後ご自分で運転してみたいハイウェイはありますか?
――自分でハンドルを握ってみたいのは、ドイツのアウトバーンでしょうか。あのスピード感ある雰囲気を一度味わってみたいですね。

(フリーライター:内藤昌康)