労働金庫(ろうきん)は、労働組合や生活共同組合などが会員となって、共同出資して作られた金融機関です。
ろうきんのおまとめローンは、銀行より低金利に借り換えができて、審査に通過すれば大幅な利息負担の軽減が見込めます。
ろうきんのおまとめローンは、次のような方におすすめです。
- 銀行より低金利に借り換えがしたい
- 債務整理はしたくないけど、借金の返済負担をできる限り減らしたい
では、ろうきんの審査は銀行と比べて難しいのでしょうか。
この記事では、ろうきんのおまとめローンの「審査基準」から「審査の流れ」までをわかりやすく解説します。
ろうきんのメリット・デメリット
ろうきんは、金利が年3.0%〜9.0%で、銀行より低金利に借り入れができます。
メリット | ・金利が3.0%〜9.0%で、銀行より金利が安い ・総量規制を超えたおまとめが可能 ・勤務先への電話連絡なしで借りれる |
---|---|
デメリット | ・銀行のおまとめより審査が厳しくなる ・提出する書類が多く、借り入れまでに時間がかかる ・団体会員以外は利用できないケースがある |
労働金庫と銀行はどこが違うの?
ろうきんは、銀行とは違って非営利団体になります。
利用者(団体会員)のために金融サービスを提供しているため、各種ローンの金利が低めに設定されています。
基本的に、金融サービスに関してはろうきんも銀行も同じです。
いずれもカードローンや住宅、教育などの様々なローンサービスが利用できます。
ろうきんは非営利団体
銀行は、営利目的の金融機関で、利息収入をもとに事業を営んでいます。
その一方で、ろうきんは労働組合や生活協同組合などの共同組織が出資して作った、営利を目的としない金融機関になります。
ろうきんの労働金庫法でも、営利を目的として事業をしてはいけない決まりになっており、会員の利益のみを優先することが義務付けられています。
ろうきんの労働金庫法については、下記のとおりです。
第五条 金庫は、営利を目的としてその事業を行ってはならない。
引用元: 電子政府の総合窓口(e-Gov)
ろうきんは一般の方でも利用できる
多くの労働金庫は、団体会員や生協組合員のために金融サービスを提供していますが、一般の方でも利用できることがあります。
一般の場合でも、金利が10%を下回っており、低金利な借り換えができます。
団体会員の場合は、金利優遇が受けられて、さらに安い金利で借り換えができるケースが多いです。
ろうきんのおまとめローンの審査基準
ろうきんも銀行と同じようにローンを受けるときは、審査がおこなわれます。
ろうきんのおまとめローンの審査基準は、下記のとおりです。
パート主婦および派遣社員でも申し込みが可能
安定した収入があれば、パート主婦および派遣社員でも申込みが可能です。
安定した収入が150万円以上ある方
年収が150万円以上あることが必須です。新卒就職の方でも融資に対応してもらえることがあります。
勤続年数が1年以上ある方(自営業者は3年以上)
勤続年数は、会社員の方は1年以上で、自営業者は3年以上が必要です。
審査に落ちやすい人の傾向は?
次のような傾向がある方は、審査落ちする可能性が高いといえます。
- 配偶者の扶養内で働いている主婦(主夫)の方
- 働き始めて日が浅い方
- 毎月のローンが収入の3割を超えている方
- ローンの延滞や滞納をしている方
- 銀行カードローンの審査に落ちた方
ろうきんは、銀行カードローンより審査基準が厳しくなっています。
恐らく既に銀行カードローンで審査落ちしている方は、ろうきんの審査に通らないと考察されます。
銀行より審査が甘い?それとも厳しい?
ろうきんは、銀行のフリーローンやおまとめローンより、審査に厳しい印象があります。
既に銀行系のカードローンで審査落ちしている場合は、ろうきんの審査に落ちるといっても過言ではありません。
団体会員だからといって審査優遇があるわけではなく、一般的なローン審査と同じように信用情報が開示されて返済能力の調査がされます。
おまとめローンの審査に通るコツを知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
おまとめローンの審査に通るためのコツと審査落ちする思わぬ落とし穴
おまとめローンの審査に通るかどうか不安で申し込みをするのが怖くなっている人も多いのではないでしょうか。おまとめローンの審査に通過するコツを教えます。どんな人がおまとめローンの審査に落ちやすいのか、自分に合った審査がゆるい借り換えローンはどれなのか、事前に理解しておけば審査落ちのリスクをぐっと減らせます。一本化して借金を減額していきましょう。
ろうきんの審査の流れと申込方法について
今回は、webで申込みをしたときの審査の流れをお伝えします。
申込み
申込方法は、各金庫によって異なります。多くの労働金庫はweb申込みに対応しており、店頭に来店しなくても申し込みが可能です。
仮審査の結果が伝えられる
電話およびメールにて審査結果が伝えられ、自宅あてに契約書類が郵送されます。
必要書類を提出する
ろうきんから指定された必要書類と契約書類を合わせて返送します。
本審査通過後、融資が可能に
ろうきんが書類を受け取った後、申込み情報に誤りがないかどうか確認されます。
先ほどの仮審査結果の時点で、ほぼ融資が確定している状態になります。
しかし本審査で申込み情報の嘘や誤りが発覚すると、審査に落とされるケースもあります。
最後まで気を抜かないように、契約書類は丁寧に記入して、必要書類は漏れのないように提出していきましょう。
仮審査後、来店が必要になるケースが多い
各金庫によって異なりますが、仮審査後に本申し込みのために店頭来店が必要になるケースが多いです。
平日の来店が難しい場合でも、一部のローンセンターは土曜日および日曜日でも営業をおこなっています。
それが近くのローンセンターではないかもしれませんが、「来店できなかったから、契約できなかった」という心配はないと思います。
来店までに時間がかかると、融資実行までの時間が長引きますので、その点のみ理解しておくといいでしょう。
在籍確認なしで借りれるケースが多い
ろうきんは、消費者金融や銀行などのローンと違って、在籍確認の電話連絡がおこなわれないケースが多いです。
健康保険証などで職場に勤めているかどうかを確認するため、会社にバレずに利用できるようになっています。
ろうきんのフリーローンの審査時間はどのくらい?
全国13のうち、即日で借り換えができる労働金庫はひとつもありません。
各金融機関に問い合わせてみたところ、融資が受けられるまでに平均して1週間〜10日程度かかることが分かりました。
金融金庫 | 審査時間 | 融資までの期間 |
---|---|---|
北海道労働金庫 | 1週間 | 10日前後 |
東北労働金庫 | 1週間 | 1週間程度 |
中央労働金庫 | 1週間 | 1週間〜10日程度 |
新潟労働金庫 | 2〜3営業日 | 5営業日程度 |
長野労働金庫 | 2〜3営業日 | 5営業日程度 |
静岡労働金庫 | 翌営業日 | 1週間程度 |
北陸労働金庫 | 3〜4営業日 | 最短1週間 |
東海労働金庫 | 3営業日 | 1週間〜10日程度 |
近畿労働金庫 | 3〜4営業日 | 1週間〜10日程度 |
中国労働金庫 | 翌営業日 | 1週間程度 |
四国労働金庫 | 3〜4営業日 | 1週間〜10日程度 |
九州労働金庫 | 3〜4営業日 | 1週間〜10日程度 |
沖縄労働金庫 | 3営業日 | 1週間程度 |
※各金庫の営業エリアは、後述で紹介しています。参考にしてください。
銀行のおまとめローンより、審査に時間がかかる印象があります。
提出書類の漏れがあると再提出が必要になるため、さらに審査が長引くことがあります。
スムーズに審査を進めたい場合は、事前に必要な書類を用意しておくといいでしょう。
審査のときに必要な書類について
各金庫で異なりますが、下記の書類の提出を求められるケースが多いです。
- 本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)
- 収入確認書類(前年の源泉徴収票など)
- 勤続年数確認書類(健康保険者証など)
- 資金使途確認書類(借入状況がわかる書類)
- 残高証明書(直近6ヶ月以内のもの)
残高証明書は、利用先の金融機関で発行してもらえる書類で、入手までに時間がかかります。早めに用意しておくと良いと思います。
ろうきんの保証会社は?
ろうきんは、「日本労働者信用基金協会」という保証会社になるケースが多いです。
日本労働者信用基金協会の保証が受けられなかった場合は、第二保証機関の「(株)オリエントコーポレーション」や「(株)セディナ」などで再審査がされます。
第二保証機関を設けているかどうかは、各金庫により異なります。
また第二保証機関は、金利が10%を超える場合があり、銀行系のおまとめローンを利用したほうが金利が安くなるケースもあります。
銀行より労金のほうが金利が安いという固定概念を持っていると、損をする可能性がありますので注意してください。
全国13のろうきん「フリーローン」の貸付条件一覧
全国に13つの労働金庫があります。
各金庫で申込み条件や金利などが異なりますので、申込みをする前に該当地域の情報を確認しておくといいでしょう。
北海道労働金庫
北海道ろうきんには、多目的ローン(フリーローン)という借換資金などに利用できるローン商品があります。
対象地域
北海道に居住および勤務している方
申込み条件
- ろうきん会員または「ろうきんクラブアソシエール」に加入できる方
- 最終年齢が75歳未満の方
- 勤続年数が1年以上ある方
- 安定した収入があり、前年度年収が150万円以上の方
- 連帯保証人は原則不要だが、審査により必要なケースもある
金利と最大限度額
- 固定金利で5.0%+保証料で、最大限度額は1,000万円
なお、下記の保証料が金利に上乗せされます。
- ろうきん会員の方は、年0.7%(金利上乗せ)
- 一般労働の方は、年0.7%〜1.2%(金利上乗せ)
※最大0.8%の金利優遇が受けられる場合があります。
東北労働金庫
東北ろうきんには、「フリーローン」という借換資金として利用できるローン商品があります。
対象地域
青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般の方
- 年齢が満20歳以上満76歳未満の方
- 安定収入で、前年度の税込み年収が150万円以上の方
- 勤続年数が1年以上の方(※自営業の方は3年以上)
金利と限度額
- 会員および一般の方は、最大1,000万円の融資が可能
団体会員の方
・変動金利型で3.425%
・固定金利型(5年以内)で3.200%
・固定金利型(5年超10年以内)で3.800%
※団体会員の方は、保証料が不要です。
一般の方
・変動金利型で5.125%+保証料
・固定金利型(5年以内)で4.9%+保証料
・固定金利型(5年超10年以内)で5.5%+保証料
※一般の方は、金利と合わせて年0.7%〜1.2%の保証料がかかります。
中央労働金庫
中央ろうきんには、「フリーローン」という借換として利用できるローンプランがあります。
対象地域
茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および生協会員の方
※借り換えの場合は、一般の方が不可です。
金利と限度額
- 団体会員および生協会員は、最大500万円までの融資が可能。
団体会員
・変動金利なら年5.825%
・固定金利なら年7.000%
生協会員
・変動金利なら年6.105%
・固定金利なら年7.280%
なお、保証料は中央労働金庫が負担してくれます。
新潟県労働金庫
新潟ろうきんには、「フリーローンWish」という借換資金として利用できるローンプランがあります。
対象地域
新潟県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般の方
- 年齢が満20歳以上で、満76歳までに返済が終了する方
- 前年度の税込み年収が150万円以上の方
- 勤続年数が1年以上の方(自営業者は3年以上)
- 借り換えで合計残高が100万円を超える場合、審査落ちする可能性がある
金利と限度額
- 変動金利で年4.20%、最高限度額は1,000万円
※会員の方は、金利が年0.1%引き下がります。
長野県労働金庫
長野ろうきんには、「フリーローン」という借換資金などの目的に利用できるローン商品があります。
対象地域
長野県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般の方
- 勤続年数が1年以上の方
- 年齢が満20歳以上で、満76歳未満までに返済が終了する方
- 安定した収入があり、前年度の税込み家計年収が150万円以上の方
金利と限度額
- 固定金利が年6.2%で、最高限度額が500万円
※パート労働者および契約社員の方は最高100万円まで
静岡労働金庫
静岡ろうきんには、「ライフローン 独立宣言」という他の金融機関でのカードローンなどの借換資金として利用できます。
対象地域
静岡県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般会員
- 年齢が18歳以上で、安定した収入がある方
- 原則1年以上の勤務がある方
※18歳以上の未成年者の方は、親権者の同意が必要になります。
金利と限度額
- 固定金利(返済5年以内)で年2.5%、変動金利(全期間)で年3.7%
- 最高限度額が1,000万円まで
北陸労働金庫
北陸ろうきんには、「おまとめ名人」という借換専用のローン商品があります。
対象地域
富山県・石川県・福井県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般の方
- 年齢が満76歳までに返済ができる方
- 勤続年数が1年以上ある方
金利と限度額
- 変動金利で年6.50%、別途で1.20%の保証料がかかる
- 最高限度額500万円まで
東海労働金庫
東海ろうきんには、「フリーローン」という借換目的で利用できる専用ローンがあります。
対象地域
愛知県・岐阜県・三重県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般の方
- 年齢が満18歳以上で、満76歳までに返済ができる方
- 安定した収入があり、前年税込年収が150万円以上ある方
- 同じ勤務先に1年以上勤務している方
- パート社員や契約社員でも利用が可能
※18歳以上の未成年者の方は、親権者の同意が必要になります。
金利と限度額
- 最大限度額が1,000万円まで、保証料は不要
団体会員
・固定金利(3年以内) 年3.5%
・固定金利(5年以内) 年3.8%
・変動金利(10年以内) 年3.3%
一般の方
・固定金利(3年以内) 年4.0%
・固定金利(5年以内) 年4.3%
・変動金利(10年以内) 年3.8%
近畿労働金庫
近畿ろうきんには、「フレックスローン(多目的)」という借換資金として利用できるローン商品があります。
対象地域
滋賀県・奈良県・京都府・大阪府・和歌山県・兵庫県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般の方
- 年齢が満18歳以上で、満76歳までに返済できる方
- 安定した収入があり、前年度税込年収が150万円以上の方
- 勤続年数が1年以上の方(自営業は3年以上)
※未成年の方は、親権者の同意書が必要になります。
金利と限度額
- 最高限度額は1,000円で、保証料は金利に含まれている
- 団体会員の方は、年3.7%〜年4.5%
- 生協組合員の方は、年3.98%〜年4.5%
- 一般の方は、年4.5%
※一般の方は、最高300万円まで
中国労働金庫
中国ろうきんには、「フリーローン」という借換資金としても利用できるローン商品があります。
対象地域
鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般の方
- 年齢が満20歳以上で、満76歳未満までに返済できる方
金利と限度額
- 最高300万円まで、変動金利で年8.775%
※専業主婦の方は、限度額30万円まで
四国労働金庫
四国ろうきんには、「フリーローン」という借換資金として利用できるローン商品があります。
対象地域
徳島県・香川県・愛媛県・高知県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般の方
- 勤続年数1年以上の方
- 年収150万円以上の方
金利と限度額
- 最大限度額1,000万円で、金利は年6.425%〜年7.425%
※一般の方は、雇用形態に応じて最大限度額が異なります。
九州労働金庫
九州ろうきんには、「フリーローン」という他社ローンやクレジットなどの借換えとして利用できるローン商品があります。
対象地域
福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県に居住および勤務している方
申込み条件
- 団体会員および一般の方
- 年齢が満18歳以上で、満76歳までに完済できる方
- 同じ勤務先に1年以上勤めている方(新卒就職の方も対象)
- 安定した収入があり、前年度税込年収が150万円以上の方
※18歳以上の未成年者は、親権者の同意書が必要。
金利と限度額
- 最高限度額1,000万円で、金利は年3.60%〜年6.7%
※最大0.3%の金利優遇が受けられる場合もあります。
沖縄県労働金庫
沖縄ろうきんには、「無担保フリーローン」という借換資金として利用できるローン商品があります。
対象地域
沖縄県に居住および勤務している方
申込み条件
- 年齢が満18歳以上で、満76歳までに全額返済できる方
- 安定した収入があり、年収が150万円以上ある方
- 契約社員・パート社員・自営業者でも利用が可能
金利と限度額
- 最高限度額は500万円、金利は下記を参照にしてください。
会員の方
- (日本労働者信用基金協会)の場合、変動金利で年9.3%
- (日本労働者信用基金協会)の場合、固定金利で年9.9%
- (株式会社オリエントコーポレーション)の場合、金利が9.1%〜12.6%
一般の方
- (日本労働者信用基金協会)の場合、変動金利で年9.8%
- (日本労働者信用基金協会)の場合、固定金利で年10.4%
- (株式会社オリエントコーポレーション)の場合、金利が9.7%〜13.2%
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