「急に何十万円も用意できない…。」
病気は、突然襲ってくるものです。
毎月ギリギリの極貧生活を送っていたら、とてもじゃないけど医療費なんて支払えません。
では、医療保険やガン保険に未加入だった場合、どうやって医療費を賄えば良いのでしょうか。
傷病手当金 | 給料の60%がもらえる |
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高額療養費制度 | 支払った医療費が戻ってくる |
限度額適用認定証 | 医療費の支払い負担が軽減する |
高額医療費貸付制度 | 無利子で医療費の8割を借りられる |
生活保護制度 | 毎月12万円程度が支給される |
海外療養費 | 海外でかかった医療費が払い戻される |
中小企業従業員生活資金等融資制度 | 地元の自治体からお金を借りられる |
一部負担金減免 | 失業などの特別な事情があると負担が軽減される |
無料低額診療 | 無料もしくは低額料金で治療を受けられる |
医療費を全額タダにできる制度もあるほど、国から手厚いサポートを受けられます。
この記事では、治療費が支払えないときに利用できる「医療制度」をまとめて紹介しています。
医療費・入院費用が支払えないときは「医療相談室」を利用しよう
次のような悩みを抱えているなら、まずは「医療相談室」に相談しましょう。
- 保険証を持っていない
- 病気や障害、リストラ、失業などで収入が著しく減少した
- 医療費が高額で支払いに困っている
- 生活保護の受給を考えている
各医療施設には、無料で相談ができる「医療相談室」が設けられています。
医療ソーシャルワーカーを通して、医療費の心配事や不安などの相談に乗ってもらえます。
身体の治療は「医師」を、お金の心配事など心の治療は「医療ソーシャルワーカー」を頼るようにするといいでしょう。
医療費の相談などはソーシャルワーカーへ
医療ソーシャルワーカーを頼ると、あなたの状況に合わせて何らかの解決策を提案してもらえます。
- 利用できる医療制度はないか。
- 医療費の心配事をどうやったら解決できるか
後述で詳しい説明がありますが、国の医療制度は、なんの知識も持たない人が理解するには難しい内容になっています。
病気の治療と同じように、専門的な知識を持った人を頼ることをおすすめします。
それが、「医療ケースワーカー」になります。
「色々と調べたけど、結局どの制度が使えるのか分からなかった!」という人は、専属の医療ソーシャルワーカーに判断を仰ぐといいでしょう。
※残念ながら、全ての病院に医療ソーシャルワーカーが従事しているわけではありません。
「会員マップ」より、ソーシャルワーカーのいる病院を検索できます。
治療費が払えないときに斡旋される医療費控除・助成制度まとめ
医療ソーシャルワーカーの業務のひとつに、次のような内容が含まれています。
入院、入院外を問わず、患者が医療費、生活費に困っている場合に、社会福祉、社会保険等の機
関と連携を図りながら、福祉、保険等関係諸制度を活用できるように援助する。引用元: 厚生労働省健康局長通知
では、医療費が支払えないときに、ソーシャルワーカーから斡旋される制度とはどのような内容なのでしょうか。
- 傷病手当金
- 高額療養費制度
- 限度額適用認定証
- 高額医療費貸付制度
- 生活保護制度
- 海外療養費
- 中小企業従業員生活資金等融資制度
- 一部負担金減免
- 無料低額診療
傷病手当金
給料の60%が支給される
傷病手当金は、病気で会社を休んだときに給料の約60%が支給されます。
病気による休業が4日以上続くと、傷病手当の支給対象に該当します。
長期入院の場合でも、最大1年6ヶ月支給が受けられて、当面の生活を保障してもらえます。
傷病手当金を利用するには、公的健康保険に加入していることが必須条件です。
社会保険証の加入があれば確実ですが、国民健康保険の加入では傷病手当金の受給ができないことがあるので注意してください。
高額療養費制度
支払った医療費が戻ってくる
高額医療制度は、病院での窓口負担が高額になった場合、一定の金額を超えた分が払い戻しされます。
上限額を超えた分が、3ヶ月後くらいに返ってくる医療制度です。
高額医療制度を使えば、医療費100万円の支払いが、1ヶ月あたり9万円程度で済むようになります。
医療費をいくら使ったら、どのくらい返ってくるのかは年齢や収入によって大きく異なります。
1ヶ月あたりに10万円〜を超える医療費の支払いがあったら、高額医療制度の利用を検討してみるといいでしょう。
限度額適用認定証
医療費の支払い負担が軽減する
上述の「高額療養費制度」は、支払った後にお金が返ってくる制度になります。
しかし、一時的に大きな費用を負担しなければならず、預貯金に余裕があれば良いですが、そうでなければ支払うのが難しくなります。
そんなときに利用できるのが、「限度額適用認定証」です。
限度額適用認定証は、窓口での治療費の支払いを自己負担額まで軽減できます。
一時的とはいえ、大きな治療費を賄うのが難しい場合は、限度額適用認定証を利用するといいでしょう。
高額医療費貸付制度
無利子で医療費の8割を借りられる
高額な医療費を賄えない場合は、「高額医療費貸付」という制度で、無利子にお金を借りることが可能です。
高額医療費貸付を使えば、高額療養費で支払う見込み額のうち、8割程度を利息なしで借りられます。
あとで説明がありますが、メディカルローンは低金利なものの、利息がかかってきます。
メディカルローンに手を出す前に、優先的に高額医療費貸付の利用を検討していきましょう。
生活保護制度
毎月12万円程度が支給される
最低生活費を下回っている場合に支給される「生活保護制度」。
アルバイトや日雇いなどの収入があっても、国が定めた最低生活費を下回っていれば、その差額分を支給してもらえます。
地域によって異なりますが、一人当たり80,000円〜120,000円程度の支給が受けられます。
毎月の生活費のほか、別途で医療費も全額支給してもらえるため、至れり尽くせりの制度です。
うつ病などで働くことができず、傷病手当の申請も難しかった場合は、生活保護制度の利用を検討してみるといいでしょう。
海外療養費
海外での医療費が払い戻される
海外旅行中および海外赴任中に、やむを得ず現地で医療費を支払った場合、申請をすれば一部の医療費が払い戻しされます。
支給金額は、実際に現地で支払った金額から、日本国内における自己負担相当額を差し引いた金額になります。
たとえば海外で5万円を支払って、日本での治療費が1万円だった場合は、差額の4万円を支給してもらえます。
自ら申請をしなければ支給されませんので、全国健康保険協会への申請が必須です。
※保険適用外の美容整形やインプラントなどの治療は対象になりません。
中小企業従業員生活資金等融資制度
地元の自治体からお金を借りられる
各自治体から、低金利に100万円程度のお金を借りられる「中小企業従業員生活資金等融資制度」。
各自治体によって貸付条件は異なりますが、金利が年1.5%〜3.0%と安くなっています。
地元で1年以上を勤務していれば、審査対象として融資が受けられます。
入院費や治療費はもちろん、出産費用、介護費用としても利用が可能です。
一部負担金減免
失業などで医療費の支払いを軽減してもらえる
一部負担金減免は、失業などで医療費の支払いが困難になったときに自己負担金を免除もしくは猶予してもらえる制度です。
過去1年以内に、次のような特別な事由に該当する方が対象になります。
(特別な事由)
(1) 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により住宅、家財その他の財産について著しい損害を受けたこと。
(2) 重篤な疾病若しくは負傷により死亡し、心身に重大な障害を受け、又は長期間入院したこと(当該世帯が当該被保険者のみの世帯である場合を除く。)。
(3) 事業若しくは業務の休廃止、失業等により著しく収入が減少したこと。
(4) 干ばつ、冷害、凍霜害等による農作物の不作、不漁その他これらに類する理由により著しく収入が減少したこと。引用元: 一部負担金減免等制度
事業の廃業、もしくは失業によって医療費の支払いが困難になった場合でも、医療費の支払いが軽減されます。
無料低額診療
医療治療が無料で受けられる
無料低額診療は、低所得者などを対象に医療機関が無料もしくは低額料金で診療をおこなう制度です。
主に、「低所得者」「要保護者」「ホームレス」「DV被害者」「人身取引被害者」が対象になります。
無料低額診療を受けるには、健康保険に加入している、もしくは生活保護の申請をしているなど。
いずれかの適用条件を満たしている場合に、無料低額診療が利用できます。
また無料低額診療に取り組んでいる医療機関は、ごく一部と限られています。
最後の奥の手!医療(メディカル)ローンで医療費を賄う
メディカルローンをご存知でしょうか。
メディカルローンは、病気にかかって医療費の支払いができないときに使える医療専用ローンです。
一般的なカードローンとくらべて、低金利に借り入れできるため、医療費が賄えないときに大変重宝します。
メディカルローンには審査がありますが、アルバイトでも専業主婦でも審査に通るほど、安易な設定になっているケースが多いです。
信販系のローン会社で取り扱われていることが多く、代表的な事例を挙げると「オリコ」や「セディナ」になります。
一度、医療機関の受付窓口でメディカルローンの取り扱いがあるかどうかを確認してみるといいでしょう。
まとめ
医療費を賄うための手段は数多くありますが、使えるかどうかを見極めるのが大変難しくなっています。
いざっ申請手続きをしようと思ってもややこしい内容になっていますので、躊躇してしまう方も少なくありません。
かかりつけの病院に医療ソーシャルワーカーが従事しているのなら、まずはそちらを頼るのがベストでしょう。
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