消費者金融は、銀行カードローンとは違い貸し付け上限が「年収の3分の1以下」とする総量規制があります。
年収の3分の1を計算する際には、総量規制対象外となる借り入れ(銀行カードローン・住宅ローン・奨学金・リボ払い等)は含まれず、対象となるのは消費者金融・クレジットカードの現金化に限定されます。
消費者金融でのキャッシングを例示すると、次のようになります。
- 年収300万円(他社借入0円)→あと年収100万円まで可能
- 年収300万円(銀行での借入100万円)→あと年収100万円まで可能
- 年収300万円(消費者金融での借入100万円)→借り入れ不可
※年収…手取りではなく、所得税等を含む税込み年収となります。
この記事では、「総量規制の計算方法」から、「年収の3分の1に含まない|総量規制の例外・除外」について解説しています。
総量規制の計算方法|例外・除外は年収の3分の1に含まない
ひとくくりに総量規制といっても、全ての借り入れが対象となるのではなく、例外・除外になる借り入れがあります。
総量規制の対象(年収の3分の1に含む)
総量規制の例外・除外(年収の3分の1に含まない)
総量規制の例外・除外となる借り入れは、総量規制の計算式に含まれません。
審査通過を前提とした極端な例を挙げれば、銀行のおまとめローンを組んでいる場合でも、消費者金融から年収の3分の1まで追加融資が受けられることになります。
銀行カードローン・リボ払いは総量規制に影響しない
銀行カードローンとリボ払いは、総量規制に影響しないことを理解しておくと、総量規制の計算が簡単になると思います。
そもそも、これらは法律というフィールドの違いがあり、消費者金融は「貸金業法」、銀行カードローンは「銀行法」、リボ払いは「割賦販売法」が適応されます。
なお、銀行カードローンで総量規制が優遇されているもうひとつの理由として、金融庁が平成29年8月2日におこなわれた「業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点」の際に、次のように述べています。
銀行が規制の対象外になった理由の一つは、銀行は社会的責任を有し、厳しい監督に服しているので、過剰貸付の抑止を含めた利用者保護が確保されていると考えられたからである。
引用元: 金融庁
銀行カードローンは、消費者金融とは異なり、消費者保護の観点があるとされ、規制外になったと明言されています。
消費者金融の借入限度額いっぱいは年収のいくら?
年収に対していくらまでの借入ができるか、試算してみました。
年収 | 他社借入金額 | 借入限度額 |
---|---|---|
150万 | 他社借入0円 | 50万円 |
銀行100万 | 50万 | |
消費者金融50万・銀行100万 | 借入不可 | |
300万 | 他社借入0円 | 100万 |
銀行100万 | 100万 | |
消費者金融50万・銀行100万 | 50万円 | |
消費者金融100万 | 借入不可 | |
450万円 | 他社借入0円 | 150万円 |
銀行100万 | 150万円 | |
消費者金融50万・銀行100万 | 約133万円 | |
消費者金融150万 | 借入不可 | |
600万円 | 他社借入0円 | 200万円 |
銀行100万 | 200万円 | |
消費者金融50万・銀行100万 | 約183万円 | |
消費者金融200万 | 借入不可 |
※年収は税込みとなります。
銀行カードローンだけでなく住宅ローン、奨学金、リボ払い、事業者ローン、おまとめローン等は総量規制の除外と例外に該当するため、借入限度額への影響はありません。
総量規制の除外や例外が設けられているのは、貸付額の大きくなる借り入れが総量規制に含まれてしまうと、消費者金融は「ローンなし」という人にしかお金が貸せなくなるからです。
あくまで「年収の3分の1」に影響するのは、「総量規制=消費者金融・クレカの現金化」に限定されます。
おまとめローンにおいての限度額の目安を下記の記事で紹介しています。そちらも合わせてご覧ください。
おまとめローンは総量規制の対象外なのでしょうか。また限度額はいくらが目安になるのでしょうか。この記事では、おまとめローンで一体いくらまで借りれるのか、その上限について詳しく紹介していきたいと思います。
年収は手取り?それとも総支給額?
総量規制は、手取り金額ではなく、「総支給額の年収(税込み)」と「賞与(ボーナス・一時金)」を合わせた金額で計算されます。
手取り金額とは、「控除」という健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税を差し引いた会社から実際に受け取る金額をいいます。
俗にいう「給料天引き分」も年収として合算でき、消費者金融から年収の3分の1までが借りられます。
意外と知らない!年収の2倍・3倍まで借りれる総量規制の抜け道
無担保で多額のお金が借りられる「おまとめローン」は、年収の2倍・3倍の借り入れができる総量規制の抜け道とされています。
消費者金融には「年収の3分の1まで」という貸付上限がありますが、規制外の銀行の「おまとめローン」へ移せば、消費者金融から新たな借金が作れるようになります。
年収300万円の場合
↓
100万円を規制外の銀行カードローンの「おまとめ」へ移す
↓
消費者金融から新たに100万円の借金ができる
これを繰り返すことで年収の2倍・3倍の融資が可能!
消費者金融は、借金を作ってからいったん完済すると信用力がぐっと高くなり、後日の借り入れがしやすくなります。
過去に審査通過しているうえに完済の事例があるとなれば、金融機関は次に貸付をしてもまたお金が返ってくると、考えるからです。
消費者金融は、個人信用情報機関を通じて、銀行カードローンへ集約された事実を知ってはいるものの、貸金業法の既存のルール内であれば問題ないと判断し、追加融資が受けられるようになります。
銀行もまた、貸付額の大きい「おまとめ」は利益収入が期待できるとし、結果メリットと判断して融資をおこないます。
こうして消費者金融と銀行から借金した金額はどんどん膨れ上がり、最終的には年収の2倍・3倍超となる借り入れができた、という事例もあります。
総量規制オーバーの借り入れを希望する場合は、下記の記事も合わせてご覧ください。
総量規制オーバーでも借りれる!年収3分の1以上借りれる消費者金融
総量規制オーバーでも借りれる消費者金融から銀行のカードローンを紹介しています。総量規制を超えた場合の消費者金融での借り入れ方法についてもまとめています。総量規制以上借りたい、総量規制超えても借り入れしたいなら、ぜひ参考にしてください。
現在、総量規制の抜け道を見直す仕組みが考えられている
先ほどのような規制外の銀行カードローンの過剰貸付が、13年ぶりの自己破産者増加の背景にあるとされ、銀行も総量規制の対象とするべきではないか、という検討がされています。
現在において全銀行協会がこの流れを阻止してはいますが、今後どのように転じるか分かりません。
近い将来、総量規制の「抜け道=穴」とされる部分を埋めた新たな法律が作られれば、銀行のカードローンで総量規制を超えた借り入れができなくなる可能性も大いに考えられます。
年収の3分の1以上を借り入れするには?
銀行のカードローンは、審査が厳しく年収の3分の1以上の借り入れが難しい状態にあります。
年収の3分の1以上の借り入れをするには、アイフルのような総量規制を超えた貸付けに対応してもらえる消費者金融を利用する必要があります。
アイフルは、web申込後に「総量規制以上の借り入れをしたい」という旨を伝えると、詳しい案内をしてもらえます。
アイフルの貸付条件
商号 | アイフル株式会社 |
---|---|
登録番号 | 近畿財務局長(14)第00218号 |
貸付利率 | 3.0%~18.0%(実質年率) |
遅延損害金 | 20.0%(実質年率) |
契約限度額または貸付金額 | 800万円以内(要審査) |
返済方式 | 借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式 |
返済期間・回数 | 借入直後最長14年6ヶ月(1~151回) |
担保・連帯保証人 | 不要 |